spiricaのイシダさんもMassimo Cubeを作成する際に選択したファンコンであるところの「RD7-TFC」.サーミスタによってCPUの温度変化を認識し、ファンの回転数を制御する機能に合わせて、電源OFF後にも一定時間ファンを動かすことで、CPUにたまった「余熱」を吐き出すCoolingAfter機能を装備しています.通常使用時の静粛性、高負荷時の冷却性、電源OFF後の余熱排気までこなす、まさに究極のファンコンとも言えるでしょう.
ところが、現物を入手しようとしたのだけれど、なっかなか見つからない.Web上に商品の情報自体はあるのですが、売ってるところが見つからない.オークションで検索しても、出てこない.何で売ってないの?.リコールかいな、とか思いながらも、オークションのアラート機能で罠を張っておいたら、1匹かかった.あとは根性で落札するのみ.ということで、やっと1セット入手することが出来ました.しかも、動作確認のみのほぼ新品同様品です.
で、このファンコンが私の「爆風ファン」に適応できるのか、どんなふうに使ったらいいのか、どんな動作原理なのかなど考えながら、製品を見ておったのですが、結構意外なことがわかってきました.
以外と簡素な、というか、安っぽいパッケージ.パーツ屋で¥1980位で吊しで売ってそう.ちなみに私は¥5000位で落札しました.
ファンコントローラ本体.PCIカードのふたの部分に取り付けるようです.動作設定用のDIPスイッチと、動作確認用のLEDが見えるようになっています.
温度センサーとして使われるサーミスタ.石塚電子のものです.厚みが500μmで、熱容量がとても小さそう.20℃で10kΩのタイプです.精度は±1%という高級品です.
ケーブル類.右はファンの信号を乗っ取るためのもので、左は5Vのスタンバイ電源を横取りするためのものです.
制御基板の裏面.DIPスイッチとLED以外の部品はありません.基板は両面2層基板です.LEDは青色だそうですが、何で最近のパソコンのパーツは青色LEDを使うものが多いのでしょうか.私の外付けDVDドライブの電源ランプも青色です.
基板の表面です.左側に2つ並んでいる大きなのが電源電圧制御用のICで、真ん中あたりにあるのがPICマイコンです.
DIPスイッチで設定できる8種類の温度ー電圧特性です.低温時には5Vを下回るような電圧出力になるものもあります.
コントローラ本体の基板の大きさは2×10cmほど.主な部品としては、2つのパワー系ICと、SOP8ピンのICが1つ、動作モード設定用のDIPスイッチと、動作表示用のLEDが付いています.パワー系ICは型名から出力電圧可変形の電源ICと判明.SOP8ピンはマイクロチップ社のマークから、PICマイコンと思われます.
私もマイコン屋ですから、このあたりで動作原理なんぞを想像したりしてみますと、多分、サーミスタの抵抗の変化を電圧変化としてPICのADコンバータで取り込んで、中で数値処理した後にDAコンバータで出力して電源ICの出力電圧を制御しているんだろうな、きっと.動作モード設定のDIPスイッチもPICのポートで読み込んで、メイン電源が切れてから数分間ファンを動かすのも、PICのポートで電源を監視して、内部タイマで時間を測って、電源ICにON/OFF制御端子があったから、これをPICのポートで制御しているんだろうな、っと.
ちょっとまてい.PICはSOPの8ピンしかないのに、そんなにいっぱい制御できるわけないやんか.どーなってるの?.ということで、回路のパターンを細かく見ていくと、結構意外なことというか、結構いいかげんな作りであることがわかってきました.
まず、電源ICの電圧制御端子、この端子にはサーミスタが直結していたのです.電圧制御にPICはからんでいなかったんです.DIPスイッチで切り替える動作モードっていうのも、サーミスタに対応する基準抵抗値を切り替えているだけで、インテリジェントな制御は、なーんも入っていなかったのです.そういえば、動作モードのグラフを見てみると、温度の低い時には出力電圧が4V以下まで下がるようになっているのに、CoolingAfterのときの出力電圧は5Vってどっかに書いてあったような気がする.マイコンが温度制御をしていたら、そんな変なことにはならんわなぁ.てことは、低温時はCPU動作中より電源OFFになってからの方がファンの回転数が上がるってこと?.何かおかしくないか?.ギンギンに最高負荷で使っていてすぐに電源を切ったときには、CPUがアッチッチになっているのに、ファンは5Vでのんきに回るってこと?.やっぱり製品の仕様としてなんかおかしくないか?.
結局、PICのやっていることは、電源OFFを検出して、バックアップの5Vをファンに供給し、その後数分間たった時点でファンへの給電を止める、という、それだけのことみたい.マイコン屋としては、せっかくマイコン使っているのに、何かもったいないなー、と感じてしまう.私は貧乏性なのです.せっかくマイコンがあるなら、とことんまで機能を引き出さにゃ.
ということで、せっかく苦労をして入手した「究極のファンコン」ですが、なんか私の「爆風ファン」には向かないような気がしてきました.私がファンコンに求める仕様を列挙すると、
ところが、現物を入手しようとしたのだけれど、なっかなか見つからない.Web上に商品の情報自体はあるのですが、売ってるところが見つからない.オークションで検索しても、出てこない.何で売ってないの?.リコールかいな、とか思いながらも、オークションのアラート機能で罠を張っておいたら、1匹かかった.あとは根性で落札するのみ.ということで、やっと1セット入手することが出来ました.しかも、動作確認のみのほぼ新品同様品です.
で、このファンコンが私の「爆風ファン」に適応できるのか、どんなふうに使ったらいいのか、どんな動作原理なのかなど考えながら、製品を見ておったのですが、結構意外なことがわかってきました.
以外と簡素な、というか、安っぽいパッケージ.パーツ屋で¥1980位で吊しで売ってそう.ちなみに私は¥5000位で落札しました.
ファンコントローラ本体.PCIカードのふたの部分に取り付けるようです.動作設定用のDIPスイッチと、動作確認用のLEDが見えるようになっています.
温度センサーとして使われるサーミスタ.石塚電子のものです.厚みが500μmで、熱容量がとても小さそう.20℃で10kΩのタイプです.精度は±1%という高級品です.
ケーブル類.右はファンの信号を乗っ取るためのもので、左は5Vのスタンバイ電源を横取りするためのものです.
制御基板の裏面.DIPスイッチとLED以外の部品はありません.基板は両面2層基板です.LEDは青色だそうですが、何で最近のパソコンのパーツは青色LEDを使うものが多いのでしょうか.私の外付けDVDドライブの電源ランプも青色です.
基板の表面です.左側に2つ並んでいる大きなのが電源電圧制御用のICで、真ん中あたりにあるのがPICマイコンです.
DIPスイッチで設定できる8種類の温度ー電圧特性です.低温時には5Vを下回るような電圧出力になるものもあります.
コントローラ本体の基板の大きさは2×10cmほど.主な部品としては、2つのパワー系ICと、SOP8ピンのICが1つ、動作モード設定用のDIPスイッチと、動作表示用のLEDが付いています.パワー系ICは型名から出力電圧可変形の電源ICと判明.SOP8ピンはマイクロチップ社のマークから、PICマイコンと思われます.
私もマイコン屋ですから、このあたりで動作原理なんぞを想像したりしてみますと、多分、サーミスタの抵抗の変化を電圧変化としてPICのADコンバータで取り込んで、中で数値処理した後にDAコンバータで出力して電源ICの出力電圧を制御しているんだろうな、きっと.動作モード設定のDIPスイッチもPICのポートで読み込んで、メイン電源が切れてから数分間ファンを動かすのも、PICのポートで電源を監視して、内部タイマで時間を測って、電源ICにON/OFF制御端子があったから、これをPICのポートで制御しているんだろうな、っと.
ちょっとまてい.PICはSOPの8ピンしかないのに、そんなにいっぱい制御できるわけないやんか.どーなってるの?.ということで、回路のパターンを細かく見ていくと、結構意外なことというか、結構いいかげんな作りであることがわかってきました.
まず、電源ICの電圧制御端子、この端子にはサーミスタが直結していたのです.電圧制御にPICはからんでいなかったんです.DIPスイッチで切り替える動作モードっていうのも、サーミスタに対応する基準抵抗値を切り替えているだけで、インテリジェントな制御は、なーんも入っていなかったのです.そういえば、動作モードのグラフを見てみると、温度の低い時には出力電圧が4V以下まで下がるようになっているのに、CoolingAfterのときの出力電圧は5Vってどっかに書いてあったような気がする.マイコンが温度制御をしていたら、そんな変なことにはならんわなぁ.てことは、低温時はCPU動作中より電源OFFになってからの方がファンの回転数が上がるってこと?.何かおかしくないか?.ギンギンに最高負荷で使っていてすぐに電源を切ったときには、CPUがアッチッチになっているのに、ファンは5Vでのんきに回るってこと?.やっぱり製品の仕様としてなんかおかしくないか?.
結局、PICのやっていることは、電源OFFを検出して、バックアップの5Vをファンに供給し、その後数分間たった時点でファンへの給電を止める、という、それだけのことみたい.マイコン屋としては、せっかくマイコン使っているのに、何かもったいないなー、と感じてしまう.私は貧乏性なのです.せっかくマイコンがあるなら、とことんまで機能を引き出さにゃ.
ということで、せっかく苦労をして入手した「究極のファンコン」ですが、なんか私の「爆風ファン」には向かないような気がしてきました.私がファンコンに求める仕様を列挙すると、
- 通常動作時(CPU温度50℃くらいまで)ではファンは停止していること.
- しかし、負荷がかかったとき(60℃くらい)には12Vで爆風をおこすこと.
- メインの電源OFF後もCPUの温度が下がるまでは爆風状態を維持し、温度低下と共に回転が低下し、最終的にはファンが停止すること.
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