ここ数日、妙に腰の低いスズメをよく見かけます.立っているときの腰が低いというか、重心が低いというか、踏ん張りが効いていない.歩いて近づいていくと、普通のスズメなら「ピョンピョン」と飛び跳ねて逃げるのですが、なんか「ボテッボテッ」ていうような感じでかろうじて逃げていき、最後に飛び立つのですが、これも無駄に羽ばたいている割には、なかなか高度が取れない.どうも、巣から出たばかりのヒナのようです.
そういえば、一時やかましく鳴いていたツバメのヒナたちの声も聞こえなくなっています.そのかわりに、4〜5羽で空中でじゃれあっているツバメを目にします.ツバメも巣立ちしたようです.
ツバメっていつも颯爽と飛んでいて、なんとなくかっこいいので、私は好きです.でも、ツバメもそんなに楽ではないんですよね.
ツバメは1シーズンに2回くらい産卵します.1回あたり5個くらいの卵を産むそうです.つまり、春に渡ってきた2羽のツバメが、秋に帰るころには親子合わせて12羽くらいに増える計算です.1年で6倍に増えるわけです.2年で36倍、3年では….でも実際はそんなことにはなりません.ツバメの大繁殖が起きないということは、一度12匹になったツバメが、1年後には2匹しか生き残っていないということでしょう.1年間生存確率が1/6、約17%、厳しい世界です.
楽しそうに飛んでいる姿を見ると、来年もみんな無事に帰ってきてほしいと思うのが人情でしょうけれど、もし本当にそんなことが起きたら、生態系がガタガタになるでしょうし、楽しそうに飛んでいるツバメを食べることで生き長らえるであろう生物がいることも事実だと思います.
なんだか、飛んでいるツバメを見ただけで、えらく複雑な気分になってしまいましたが、せめて自分が目にしたツバメたちはラッキーな一生を送れるように願っています(でも最後はきっと誰かに食われるんですよね).
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