「nano」登場.

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Appleから「iPod nano」が発売になりました.それと同時に「iPod mini」が姿を消しました.ということは、「nano」は「mini」の後継代替え機種という位置づけになります.
しかしちっちゃいですねぇ.「mini」と同じような縦寸法で、あれだけ薄っぺらいのですから、もう「板」ですね.
「shuffle」でも厚さは9mm近くありますが、「nano」は6.9mmということですから、さらに薄いわけです.

今回の「nano」の登場で、Appleの方針がいくつか明らかになりました.
・今後はカラー液晶が標準であり、モノクロ液晶は採用しないであろう.
・ハードディスクは順次フラッシュメモリに置き換わる(もう後戻りは出来ない)であろう.
・iPodインターフェイスとしてはUSB2.0が標準であり、FireWireは廃止になるであろう.

今回の「nano」を見ると、Appleが今までになく無理をして、ギリギリの製品を出してきたように感じます.

ヘッドホン端子が上でなく下に付いている理由は、「その方が機能的で格好いいから」ではなく、「機構上そうせざるを得なかったから」としか思えません.そのおかげでDockコネクタがセンターから左にずれています.また、ヘッドホンをさすと、本体の右下からちょろりんとケーブルが出ることになるのですが、見た目にあまり落ち着きません.デザインのこういう部分はAppleが最も気を使うところですから、ユーザには、どちらかといえばデザインよりも小型化に、より高い価値を見いだしてほしい、とうことでしょう.

また、iPod自体の好調さを背景にすれば、フラッシュメモリは、数をまとめてかなり買い叩いたんだと思います.でもハードディスクより安くはなりません(なったのかなぁ).カラー液晶も使っていますし、「mini」よりもだいぶん原価は高く付いていると思います.ただし、液晶もメモリーも、だまっていても値段が下がっていくデバイスですから、この先数年のロードマップから、採算は取れると判断しているのでしょう.

しかし、Appleが価格的に苦しいということは、規模の小さな同業他社が同じことをやろうとすればもっと苦しいか、実現不可能であろう、ということになります.つまり、「nano」クラスのシリコンオーディオプレーヤは、Appleの独壇場になる可能性もあります.Sonyがどれだけ食いついてくるかですね.

いつものことですが、写真を見る限りでは、実に魅力的に見えます.性能はさておき、そのスタイルだけで、もうすでに買いたくなってしまうような出来栄えです.
見た目と機構とコストの間で、激しい応酬があったのでしょうけれど、出来上がったのもは、現在あるべき最高の姿だと思います(ヘッドホン端子の位置を除いては).
見た目に弱い私は、コロッといってしまいそうです.