職人さんの作ったものは、「製品」なのか、「作品」なのか、何と表現すればいいのだろうかと考えさせられます.
ドイツという国は、今でもマイスター制があります.靴職人になるためには靴屋さんで修行をして、靴職人のマイスターになるのです.
そういう靴屋に行くと、靴を買う前に、まず足の寸法を詳細に採寸します.それをもとに、木を削り出して木型を作ります.それをもとに、靴を手縫いで作っていきます.当然一足作るのに1ヶ月以上かかりますが、そうして出来た靴は、10年以上履いてもビクともしないのだそうです.また、一回木型が出来れば、「また一足頼むよ」といえば、次からは、採寸をする必要がありません.ですから、そういう靴屋さんには、お得意さんの木型が大量にストックされているのです.
肉屋さんもそうです.ドイツの肉屋さんは、肉を売るというよりは、自前で作ったソーセージやハムを売り物にしています.店先には何十種類ものソーセージがぶら下げてあります.これも肉屋さんのマイスターが作ったものです.そして、もちろん、とても美味しいのです(日本の加工肉製品とは別の食べ物です).どのお店もとても美味しいので、美味しさで競争するというよりは、その店独自の味で勝負することになります.
ビールもそうですね.ビール純粋令があるので、原料はみんな同じようなものです.あとはマイスターの仕込み具合で、ビールの個性を出すことになります.
こういった、技術の追求をやめない人々、日々精進してらっしゃる人々、普通にいえば職人なんですが、こういった人々の作り出すものというのは、「製品」なのか、「作品」なのか、「芸術品」の域に達しているのか、どういう単語で表現すればいいのでしょうか.大量生産品とは、どういう区別を付ければいいのでしょうか.
ドイツのマイスターが作った靴と、量販店で売っている靴を、インターネットで並べて写真を載せても、その違いは絶対に伝わりません.私も、アルミ削り出しで作ったケースと、プレスで大量生産したケースと、その差をネット上で表現しろといわれても、ちょっと困ります.「これめっちゃええで」くらいのボキャブラリーしかありませんから.
いったい、職人さんが作ったものは、何と呼べばいいのでしょうか.
ぬこゐち。
職人の仕事は、「芸術作品」を作るのではなく「モノ」を作るのですから「製品」が正しいのでは?
しかし、職人のおっちゃんの技に対して最もふさわしい言葉を選ぶならば「仕事」ではないかと。
どこぞの骨董品鑑定家みたいですけどw
korukoru2
そうですねぇ、やっぱり「仕事」っていうのが一番ピッタリ来ますね.