製品の改造をしている時には、これ以上やると元に戻れなくなるポイントというのが必ずあります.きょう、それをやってしまいました.IntelMacminiは、もうIntelMacminiの姿には戻れません.
何をしたかというと、冷却ファンの分解(破壊)です.IntelMacminiには、専用のシロッコファンが付いています.ファンへの配線は、ドライブ類を接続するライザーカードの端っこにあるコネクタで、4極ですがケーブルは3本です.普通のDos/V用のファンもだいたい3本で、赤がファン駆動電源、黒がGND、黄色がファンからのフィードバックになっていたと思います.IntelMacminiのケーブルは意地悪いことに全部黒です.どれがどれかわからない.
コネクタ側はいくらじっと見ても「黒い」という以外は何の情報も得られそうになかったので.ファンをばらしてみることにしました.
ファンの外装はモールドの嵌め合わせなので、ツメを外せば簡単に分解でき、ファンの羽根が出た状態になります.ファンの基板が見たかったのですが、モールドにしっかりと覆われていて中身は見れません.で、思い切って「バキッ」とファンとモールドを引っぱがしました.永久破壊ですのでファンはもう元には戻れません.
ファンの内部基板が見れるようになったおかげで、3つの配線の役割がわかりました.そこで、パソコンの館で買ってきたDos/V用のファンをつないで、試運転をしてみたのですが、ファンがちっとも回らないのです.指でつんつんはじいて勢いをつけてみても回りません.配線を読み間違えたかなぁ、と思いながら、テスターで各線の電圧を確認してみると、ファンにかかっている電圧が約3Vでした.
3Vではちょっとファンは起動できないんですね.5Vくらいあるといいのかな.
ファンが回らなければヒートシンクはどんどん熱くなっていき、ファンへの供給電圧も上がって、そのうちにファンが回るだろうと思っていたのですが、それもどうも違うみたいです.思うに、最初に3V供給してファンからのフィードバックが来ない時にはファン故障ということで、それ以上の電圧が出なくなっているのではないかと推測しております.とにかく、CPUのヒートシンクが触れなくなるくらい熱くなっても供給電圧は3Vのままでした.これはちょっと予想外の悪い展開です.
ちょっとだけ考えてみたあとで、もう1つ買ってきたほうの面白いファンを接続してみました.何が面白いかというと、80mmのマウントに95mmのファンが取り付けできるのです.80mmの四角形に内接する円を描く普通のファンか、外接する円を描く大きなファンか、といった感じです.
このファン付けてみました.回りません.やっぱだめか〜、と思いながら、指でつんつんしてやると、突然回り出しました.その時の駆動電圧は4Vくらいでした.ファンからのフィードバックがあれば、正常にファンの制御が出来るようです.
ファンをCPUのヒートシンクから離してやると、ほどなくして、ファンの回転数がものすごい勢いで上がっていきます.ファンをヒートシンクに向けてやると、回転数は下がっていきます.ちゃんと制御されています.
問題なのは、電源投入時に3Vの駆動電圧でどうやってファンの回転を起動してやるかということです.困ったなぁ.独自にファンコンなんかを付けてやれば簡単な話なんですが、なるべくIntelMacminiの制御を大事にしてやりたいです.
ファン駆動開始時のみ5Vくらいの電圧をかけてやって、ファンが回り出したら、IntelMacminiのファンコントローラに制御を引き渡すような、何かそんな回路を組むか.
なんかいい考えないかなぁ.
しかし、たったこれだけの(ファンを破壊した)ことで、IntelMacminiはIntelMacminiに戻れなくなってしまいました.もう後戻りはできませんなぁ.
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