幻魚白蝦蛍烏賊

最近、深夜のBS放送で「バーテンダー」というアニメをやっています．うちは金曜日にテレビの番組表検索でジャンルを「アニメ」にして１週間分の検索をかけて、録画の予約をしています．取り貯めしたアニメを子供が好きなときに見るのですが、その中に「バーテンダー」って入ってきたんですよね．最初は何だろうかと思っていたのですが、一度録画して見てみたらこれが意外と面白い．調べてみると、「スーパージャンプ」に連載をしているらしい．単行本も出ているらしい．早速amazonで全巻購入して読んでみました．これも意外と面白い．乱暴な言い方をすれば、「美味しんぼ」の洋酒版といったところですか．天才バーテンダーと、お酒にまつわるうんちくと、人間模様を絡ませたドラマ仕立てのマンガ、という感じです．

そのマンガを何回も読んでいるうちに、たまらなくカクテルが飲んでみたくなって、ショットバーに行き慣れている先輩にお願いして、一緒に飲みに行きました．そして、そのバーで試してみたかったことが２つ．

１つめは、マティーニを２杯、ベースになるジンを変えて、しかも出来るだけ素人にもその差がわかりやすいようなジンを選んでもらって、その差が私にわかるのか、試してみました．結果、マティーニなんて強いお酒を立て続けに２杯も飲んで、酔っぱらうわ、舌も麻痺するわ、という状態であるにもかかわらず、２杯目の方が味も香りも強いと感じました．マスターに「どうでしたか？」と聞かれてそのように答えたら、「それだけわかれば十分です」と言われました．

さて２つめは、「バーテンダー」の中でもしばしば登場する「アイラ島のシングルモルト」というのを飲んでみたかったのです．マンガによると、「ヨードチンキのようなにおい」が特徴で、非常にクセがあるとか．ヨードチンキのにおいのするウイスキーってどんなんだろうかと思って、試しにいくつか出してもらいました．実は私、今までウイスキーというモノを美味しいと思ったことはなかったのです．最初に飲んだときは「なんて苦くて鼻が痛くなるほど鼻に抜ける酒なんだろうか」と思いました．こんなモノを美味しいと思う人の気が知れないなぁ、と思っていました．せいぜいが、ジョニーウォーカーの金ラベルくらいですか、飲みやすいとは思いましたが、やはり好んで飲みたいとは思いませんでした．まあ、お酒は嗜好品ですから、人それぞれ．人の好みに文句を付けるつもりはありませんけれど．

さて、そのアイラ島のシングルモルトを、試しですから、ストレートでシングル．一口飲んでみて、アホみたいなコメントですが、「なんて美味しいんだろうか」と思いました．何と言っていいのかわからない複雑な味と香り．私の貧弱な語彙では「芳醇」としか言いようがありません．ヨードチンキのにおいなんて全然感じなかったのは、私がいい加減酔っぱらっていたせいでしょう．
最初に飲ませてもらったのは、もうすでに蒸留所が閉鎖になっていて、入手困難というもの．１杯あたりの値段も高いそうです．２杯目は、それよりもちょっとお安く、でも、味も香りも１杯目よりはインパクトが薄かったですね．美味しいということには変わりはないんですけどね．

初めて美味しいと思ったウイスキー．今回は一番味がわかりやすいようにと思って、ストレートでお願いしましたが、いろんな飲み方にもチャレンジしてみたいですね．お店に行って飲ませてもらうか、自分で入手して自宅で飲むか．あ、でもわたし今、禁ビールダイエット中なんですよね．ビールはダメでも洋酒はよしとしますか．一番の問題は、酔っぱらったおかげで、自分が飲ませてもらったお酒の名前をさっぱり覚えていないことです．マスター、今度行ったときにはメモを取らせてくださいね．