ちょっと、初体験.

私は大病をしたことがありません.若い頃はやせて虚弱体質っぽく、現在は太ってメタボリックぽく、ともに不健康そうなのですが、入院とか手術とか一回もないのです.強いてあげれば、2回ほど胃カメラを飲んでゲロゲロいわされたことがあるくらいでしょうか.
ところが最近ちょっと調子が悪くなってきました.チンが痛いのです.しかも右奥の横が.この2週間くらいですかねぇ、3日に一回くらい、ジーンと痛くなります.額にうっすらと汗が出るくらい痛いです.でも我慢していると、1時間くらいでだんだんよくなっていきます.しかし、会社でいすに座って、一人で痛みに耐えている姿はあまり格好のいいものではありませんので、思いきって病院で見てもらうことにしました.土曜日も診察してくれる大きな病院ということで、新日鐵広畑病院の泌尿器科に行ってきました.

別に急ぐことではないので、あまり待たなくてもいいようにと、診察時間の最後である11時前に行きました.しかしまあ、大きな病院ですから待たされますねぇ.1時間くらい待ってから、診察の前に検尿です.それからしばらくして診察.最初にチンの横が痛いと説明.先生からは、今までに膀胱炎とか結石とか、大きな手術がなかったかなどいくつか問診を受けて、次にベットに横になって、チンの触診.いろいろ触って痛くないか確認と、どこら辺が痛いのか説明.でも、先生が言うには、
「そこら辺には何にもないんですよねぇ」
という話.何もないとはどういう意味かわからないまま、すかさず、
「では、おしりに指を入れて診察してみます.ちょっと気持ち悪いですからねぇ」
と言うと、いきなり尻の穴に指を突っ込んでくる.と同時に激痛が….
「痛い!、痛いです!!」
と言っているのに、
「はいこの辺は痛いですかぁ?.こっちはどうですかぁ?」
とか言いながら、尻の穴をゴシゴシとしごくしごく.
「そこも痛いです!、こっちも!、アゥッ!!」
とか言ってるのに、まだまだしごくしごく.
「ホント、痛いですから、もうやめてください!」
って言っても、
「はいじゃあ、そろそろ終わりですよぉ」
と言いながら、手は動いている.いいかげん我慢の限界、キレかけた頃にやっと、
「はい、横にティッシュがあるのでおしりをよく拭いてください.ゴミ箱は足元です」
と言って手の動きが止まりました.トータルで何秒でしょうか、すごく長く感じましたが、20秒くらいかなぁ.本当に目から涙が出るくらい痛かったです.痛みで涙が出たのは小学生くらいの時以来ですね.まったくひどい目にあいました.

「服を着たらもう一回検尿に行ってくださいねぇ」
と言うことで、まだ涙目のまま検尿.しばらく待ってまた診察室へ.そこでやっとさっきの尻の穴ゴシゴシが何の意味があったか説明してくれました.
ご存じの通り、男性の場合には、肛門の前あたりに前立腺というのがあります.これが細菌などで炎症を起こすと中に膿がたまることがあるそうです.で、普通の検尿で膿が出なくても、尻の穴ゴシゴシをして前立腺に刺激を与えると膿が出てくると.そうすることで2回目の検尿で膿が出れば、前立腺の炎症が疑われると、そういうことだそうです.だったら最初から、そういうことで何秒くらいゴシゴシするぞと、言ってくれれば我慢のしがいもあるのに、いきなりゴシゴシですからねぇ.まったく、もう少し気遣いってもんがあってもいいと思うんですけど.
で、2回目の検尿で膿が出たかといえば、非常に痛い思いをした甲斐もなく、出なかったそうです.まあ、ステップバイステップで事実を検証していって原因を突き止めるのが、医学でも技術分野でも同じように基本ですから、しょうがないですけどね.

さてそうなると、次の診察はというと、
「造影剤を入れて、レントゲンを撮ってみましょうか」
ということで、今度は放射線科へ.先生の持っている造影剤が入っていると思われる注射の太さが半端じゃない.4cmくらいあります.そして私は大の注射嫌いなのです.インフルエンザの予防注射をするくらいならインフルエンザにかかった方がいいと思うくらい注射が嫌いです.

レントゲンは上から撮ります.台の上に横になって、造影剤の注射.
「ちょっとチクッとしますよぉ」
とか言っておいて、あの注射の太さじゃかなり来るだろうなと思っていました.針の太さは怖くて見れません.しかし、本当に思ったほど痛くはなく、チクッとしただけでした.が、1本注射し終わった時点で、2本目を取り出したのです.まあ、カートリッジみたいになっていて、針は刺したままで2本目まで行けましたが、途中交換する注射なんて初めてです.2本目があるってことは3本目もあるの?と思っていたら、幸いなことに2本で終わりました.ただ、
「念のために撮影が終わるまで針は残しますから、腕は曲げないでくださいねぇ」
って、腕どころか、身動きとれないじゃん.
レントゲンの撮影は、注射前と、注射後5分、10分、15分と、それまで台の上で微動だにできずに固まっていました.

撮影が終わって、放射線科でレントゲン写真を受け取ってから、また泌尿器科の診察室へ.診察室でレントゲン写真の説明をしてもらいました.これが腎臓、これが尿管で、これが膀胱と.すごいんですよ、5分おきに撮った写真なんですけど、5分ごとに膀胱の映像がはっきりしているのがわかります.腎臓って5分程度の時間でも、せっせと血液から造影剤を分離して、膀胱に送っているんですね.
そんなことに感心しながら、先生の説明を受けました.一見、正常に腎臓から膀胱に尿が流れているように見えますが、
「ここ!」
と先生が指さしたのは、右の尿管が膀胱につながっているところ.
「骨の陰でわかりにくいですが、ここに小さな結石があります」
って言うんですよ.へぇ、と思って先生の指さすところをじっと見るのですが、どうもよくわからない.あるといえばあるようだし、ないといえばなさそうだし.昔テレビで見たUFOの写真みたいです.あるような、ないような.

結局、診断結果は「尿管結石」だそうです.小さい石なので、放っておいて出てくる人もあるし、出ない人もあると.出ない場合には、昔なら腹を切って取り出したそうですが、現在では、体外から衝撃波を与えて体内の結石を粉砕するという、スタートレックのような治療が出来るそうです.ということで、尿がたくさん出るようにする薬を2週間分と、痛み止めの座薬をもらって、2週間後に再診察ということになりました.

いや〜、病気らしい病気は初体験だなぁ、と思いながら帰ってきたのですが、ところで、膀胱の上の結石で、チンの横が痛いという症状は説明がつくのかなと、ちょっと不安になったりもしてます.まあ、ダメならまた2週間後に先生に相談しようと思います.