新日本海フェリー、私は何度もお世話になったことがあります.私は北海道に5〜6回(はっきり覚えていません)行ったことがあります.1回は冬にスキーをしに飛行機で、2回はオートバイでツーリング、残りが車ですね.飛行機以外の時には必ず、新日本海フェリーを使っていました.
昔のタイムスケジュールでは、当日の23:30に舞鶴を出港して、翌日は1日じゅう海の上、翌々日の午前4:30に小樽に到着というものでした.会社を終えて、そのあと舞鶴まで走って船に乗り、次の日は1日中ブラブラして英気を養い、その次の日は朝の4:30から、「よっしゃ行ったるでぇ」と意気込んで走り出したものです.私はいつもとりあえず北を目指します.前日1日中寝たり起きたりしていたので、元気いっぱいで、昼前には宗谷岬に着きます.そこでお昼ご飯.それから、あちこち脇道にそれつつも網走方面に向かって走り、サロマ湖畔あたりで1泊します.つまり、会社終わった翌々日は、サロマ湖畔で宿泊なんです.
ところが最近はフェリーの運航状況が変わってしまいました.昔は舞鶴-小樽間を約29時間でむすんでいたのですが、最新の高速フェリーを導入したことで、20時間で着いてしまうのです.現在は、当日の0:45に出港、その日の20:45に小樽着です.ということで、会社終わって舞鶴まで走って、船に乗る頃に日が変わって、その日の20:45に小樽に着いてしまうのですが、それからどないせぇっちゅーねん、という時間ですよね.フェリーが夜着いてしまうと、とりあえずどっかに泊まらなければなりません.小樽か、せいぜい札幌あたりか.で、昔のフェリーなら次の日の朝4:30から走り出せたものが、ホテルなんかに泊まってしまうと、出発はどうしても9時か10時頃になってしまいます.そうなると、昼に宗谷岬に着くのは苦しいし、1日でサロマ湖畔まで行くのも難しいと思います.
で、なんでまたこんなにツーリング向きでないダイヤになったかといえば、やっぱり運送業(トラック)にとっては、速く着く方が魅力的だからなんでしょう.でも、29時間かかっていたものが20時間になるなんて、すごいスピードアップですよね、1.5倍なんですから.ちょっと調べてみたらとっても興味深いことがわかりました.新しい舞鶴-小樽間のフェリーは「世界初のハイブリッド型 CRP ポッド 推進高速フェリー」なんだそうです.
http://www.mhi.co.jp/tech/pdf/416/416338.pdf
どういう仕組みか簡単に言葉で説明しますと、主になるスクリューの後ろに、潜水艦を前後逆にしたようなもの(これをポッドと呼ぶそうです)を取り付けて、スクリューをお互い逆回転になるように回すんだそうです.そうすることで、スクリューの回転方向に依存した、左右方向への力の発生が無くなります.さらに、後ろに着いているポッドは、左右に向きを変えれるようになっています.つまり、横方向への推力を直接発生することが出来ます.これにより、今まで不可能であった、その場での回頭動作なども出来るようになります.
今まで、左右2つあったスクリューが同軸上に1つに並ぶことで、水の抵抗が減り、推力がアップし、ポッドを使うことによって、出航、到着時の港内での細かな動作が簡単にできる、そういうことの積み重ねで、29時間が20時間になったんだそうです.そういわれてみると、ちょっと乗ってみたい気もします.
でも、昔の、あの1日中海の上で、何もすることが無くてウロウロしてしまう、あの1日がよかったんですけどねぇ.
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