おはよ〜ど〜ん!!

だいぶん以前に告知していたと思うのですが、友人と二人で鳥取の「おはよう堂」に行ってきました.その友人が私のこのblogをたまに見ていてくれている、という話になって、「鳥取のお刺身定食と、高知のカツオのたたきには、ちょっと心ひかれるものがあった」なんて言うもんで、「じゃあ、おはよう堂行こうよ、僕が運転するから」っていうことで、二人のスケジュールを合わせて出かけてきました.

彼の家は山崎町(今は宍粟市っていうんですね).うちからは車で45分くらい.彼のうちを訪ねるのは10何年ぶりくらいなので家の場所を忘れていて、前の道路を行き過ぎたり戻ったり.そうこうしているうちに彼が道まで出てきてくれてやっと合流.そこから鳥取までは1時間とちょっとです.

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ちょっとおまヌケなカーナビの指示にときどき逆らいながら、おはよう堂に到着したのは12時過ぎくらい.ちょうどいい時間でした.おなかもすいて、レッツゴーということで勢いよく店のドアを開けると、満席.いや、一番手前の席は食事終了しているものの、まだ片付けが済んでいない状態.いつものお兄ちゃんに「すいません、ここ座っといていいですか?」って聞いたら、いつものように無言でやってきて、机の上を片づけてくれました.何も言わなかったのですが、これは座ってもいいという意味だろうを勝手に解釈してその席に陣取りました.

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さて、メニューを見ると、相変わらず難解な漢字が並んでいるものの、前回来たときよりは読めるものが多いようです.読めても意味不明のものもありますが(三の字ってなんだ?).周りを見渡すと、相変わらずの巨大特盛りされた魚たちと格闘している人たちが.刺身はたぶん一皿に4人前くらいは乗っているし、焼き魚は、身の厚さが5cmくらいはある.ただ、みんながみんなそんなものを食べているので、あまり突拍子もない大きさには見えない.今回は2回目なので場慣れしたんだろうか.けっきょく、二人とも刺身系がいいものの、かぶらないようにということで、メダイの刺身とヒラマサの刺身をお願いしました.「すいませ?ん」と声をかけたのですが、お兄さんはこっちを向くもののこっちに来る気配は無し.「メダイとヒラマサの刺身をお願いしま?す」と言うと、返事もせずにクルッとキッチンの方を向いてしまう.本当に注文がちゃんと通ったのか、ちょっと不安になるが、ここまで無愛想にされると、そういう点もお兄さんのチャームポイントの一つのように思えてしまいます.

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お刺身ドーン!!.って、写真で見ると、たいした迫力ないですねぇ.お刺身は4列盛られているのですが、魚の半身を使っています.背側と腹側を、頭側としっぽ側に分けて、それで4列です.とうぜん腹側の頭側が一番脂がのっていて、背側のしっぽ側が一番身が締まって味が濃いです.私はヒラマサで、青魚系で脂が少なくサッパリしています.彼はメダイで白身ですが脂がたっぷりのっています.ご飯はどんぶり一杯のものをペタペタに圧縮してあるのですが、前回は失敗しました.普通の調子で食べていくと、その量のご飯でも足りなくて、最後は刺身だけをモクモクと食べるという状態になり、ちょっと苦しいです.ですので今回は、刺身一切れに対して食べるご飯の量を、出来るだけ少なめにしました.結果的に作戦成功でした.

彼も私も、量にまけないように勢いを付けて食べ出しました.「なんかテレビでやってるメニューを食べ尽くすっていう番組みたいやなぁ」とかつぶやきながら、刺身と格闘していきます.しかし、彼はメダイのたっぷり乗った脂にやられてしまったようで、1列半くらい食べた時点で「もうあかん、残りは焼き魚にしてくれんかなぁ」と言い出しました.確かに彼のメダイは脂がたっぷりとのっていて、非常に美味.しかし、美味でも限度っていうものがありますよね.マグロの大トロがうまいからって、そうそう何人前も食べられるものではありません.私は「ご飯ちょっとずつ作戦」が功を奏して、まだ結構いけそうです.ヒラマサを片づけた後で、彼の食べきれなかったメダイもいっときました.美味いんですよ、美味いんですけどね、最後の方は、ただの処理作業みたいな感じになってしまいました.ほんと、お魚さんと、作ってくれた人に申し訳ないです.やっぱり食べ物は美味しくいただかないとねぇ.

なんとかお刺身とご飯、それに、食べても食べてもなかなか減らないお味噌汁(これも結構強敵です)を制覇して、店を出ました.「なんか座っているより立った方が腹が楽だわ」とか言いながら車に戻って、彼の行きつけという吉岡温泉に向かいます.

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彼からは「めっちゃひなびた温泉」というように聞いていたのですが、「ひなびた」というよりは、「しなびた」って感じです(失礼).入浴料は¥200.先客は地元のお爺さんが二人.温泉はメチャクチャ熱い.腰まで入るのがやっとで、そそくさと出てきました.しかし、外に出てみると、それまで暑かったのがちょっとウソのように涼しく感じられ、暑いときに熱い温泉っていうのも結構ありだなと感じました.ペットボトルのお茶を飲みながら風に吹かれてあたりをぶらついてみると、結構立派なお屋敷があったり、これまた結構新しくてきれいなお宿があったり、ひなびた温泉のわりにいい雰囲気です.ただ、観光客はだれ1人歩いていませんでしたけど.

温泉を出たら、山崎&姫路に向かって出発.途中、彼の趣味の釣りの話とか、最近始めたっていう桃の栽培の話とか、久しぶりにおもしろい話をたくさん聞かせてもらいました.

ちなみに、その日の晩ご飯は、なんと、お刺身でした.うちの嫁さんは「姫路のスーパーにはろくな魚を売っていない」とかいって、お刺身なんか買ってくるのは年に数回なんですけど、見事にあたりましたね.ふくらぎの刺身です.ただラッキーだったのは、家族四人分として出されたお刺身の量が、おはよう堂の一人分よりはるかに少なかったことと、四人分をいっぺんに一皿で出されたおかげで、私は二切れほど食べただけで済んだことでしょうか.しばらくお刺身はイイやって感じですけど、この苦しみを忘れた頃にまた行ってしまうような気がします.4人くらいで夜いって、ビールでも飲みながら刺身をつまむっていうような食べ方が一番なんだと思いますけどね、そうしたら鳥取に宿泊になってしまいます.まあ、それも面白いかも.