この前の金曜日に、胆嚢摘出手術前最終の検査一式を受けてきました.べつにどうということでもないのですが、私が胆石って言われてからネットで胆石のことを調べたのと同じように、胆石って言われてからネットで胆石のことを調べる人の役に立つ情報になるかもしれないので、手術のことや、手術後の様子なんかも、できるだけネット上に書きとめておこうと思います.ということで、なんということもない検査だったのですが、その内容を一式書いておきます.
朝9時に来てくださいって言われてて、8時半に行ったら、「この紙をもって検査を回ってください」っていう紙をもらって、検査を順番に回っていきます.MRI検査って聞いていたんだけど、ずいぶんたくさんの検査があるようです.
まず最初に、採血.今までに受けた採血では、採血管は2本くらいまでだったんですけれど、今回は容器にガラガラと5本くらいのガラス管が入っています.「ずいぶんたくさん血を取るんですね」って言ったら、「でも針を刺すのは1回ですから、いつもと変わりませんよ」って、まあそうだけど.
つぎに、何というか、血が固まりやすいかどうかの検査.耳たぶにチクッと針を刺して、その血が何分で止まるかをストップウオッチではかります.耳たぶ、結構チクッときます.針恐怖症の私にすれば、なんで好きこのんで耳にピアスなんかするのか、そんな人の気が知れません.30秒ごとに耳たぶの血を、ろ紙みたいので吸い取って、その直径を見ているみたいです.耳たぶの血は普通は5分くらいで止まるそうです.私は4分30秒ということでした.
次がMRI検査.検査室の前で検査用の服に着替えて、MRIの台に寝ます.以前、腰の椎間板ヘルニアでやったMRIとはまた違った機械で、前の時には本当に鼻が機械にくっつくんではないかというくらい狭かった(閉所恐怖症の人はムリかも)のですが、今回の機械は、筒の中で腕を頭の上に上げてとか、おなかの横に下げてとか指示されて、それが出来るくらいの広さはありました.それに、前の機械は、やたらとカンカラカンカラと、木材がぶつかり合うような音がずーっと続いていたんですけれど、今回の機械はそういうことはありませんでした.そのかわり、「この音は明らかにエマージェンシーだろう」としか言いようのないサイレンのような音や、「ガシャコンガシャコン」とか、「ヒューヒュー」とか、明らかにその音を出すことを目的にして出している音(つまり、機械の動作上しかたなく発生するような音ではない)が鳴っていました.どうも、その音がしているときが撮影のようなのですが、なんであんな音がするのか、想像すら出来ません.
次がレントゲン.どうでもいいけど、行く先々で服を脱いで、で、次の検査に移動するためにまた服を着て、っていう繰り返し作業が結構面倒くさいです.連続検査の時には、最初に検査用の服に着替えたらそのままずっと検査を続けられるようにしてくれたらいいのに.レントゲンは立った位置で2枚、寝た位置で1枚撮りました.
次が心電図と呼吸器.心電図はいつもの心電図ですね.手首足首をでっかい洗濯ばさみで挟んで、胸に吸盤を6個くらいつけて、ガーって10秒くらい取ったらおしまい.呼吸器は、肺と気管支の様子を調べるらしい.最初は肺活量の測定.機械につながったパイプの先の紙の筒をくわえて、普通に息をすると、画面に呼吸の波がグラフ表示されてちょっとおもしろい.2〜3回普通に呼吸してから、大きくすって、大きく吐き出すんだけれど、その時に看護婦さんが「はいまだ吸えるまだ吸える、まだまだまだ、まだいけるよ〜」とか、「はい、吐いて吐いて吐いて、まだまだまだ、まだ出せるまだ出せる」って、もう出ないってのに.苦しいのに追い打ちをかけて、肺活量の最後の10ccくらいを絞り出すことに何の意味があるんだよ、なんて思いながらヒーヒーいってたら、「あら、けっこういい数字.5600ccもあるわ」だって.「それっていい数字なんですか?」って聞いたら、「う〜ん、40代よねぇ.だったら普通は3500ccくらいかしら」って、自分では知らんかったけど、肺活量だけすごく大きかったんだ.
次が、思いっきり速く息を吐く検査.これもけっこう苦しいんだが、喘息とかの可能性がある人は、この検査でわかるらしい.さっきの紙パイプをくわえた状態で普通に息をしていて、画面に表示される模様が肺活量の時とはまた変わっているんだけど、オシロスコープのX-Yモードみたいに、呼吸をすると、緑色の線が画面の真ん中あたりでユラユラしている.で、画面上に赤線である形が書いてあって、その状態で思いっきり息を吸ってから、出来るだけ速く息を最後まで吐き出す.「まだ行けるまだ行ける」と言われながら.で、一回目は失敗.画面の赤線と、自分の呼吸で書いた緑の線の形が大きく違っている.「この部分でぽこっとふくらんでいるのは、吐く途中で吐く速度をちょっとゆるめているから.もっと思いっきり吐いてみて」って言われて2回目チャレンジでやっと合格.息は、思いっきり吸うよりも、思いっきり吐くほうが、何倍も苦しい.
その後、外科に戻って、今度は「ちょっとズボンをおろしてこのベッドに寝ていてね.足の付け根の動脈から血を取るから」って、なんかけっこう物騒なことをさらっと言われてちょっとびびっていると、看護婦さんではなくて外科の先生がきて、足の付け根、ホントに腹筋と腿の筋肉の境界あたりを指でプニプニ探っています.「動脈から血を取るって、静脈じゃダメなんですか?」って聞いたら、先生が「ン〜、酸素の量をね、ちょっと調べないといけないんでね.ハイちょっとチクッとしますよ〜」で、ホントにチクッと.針が細いのか、腕の静脈より痛くはなく、血を取っているであろうその時も何ともなかったんだけど、針を抜くときにちょっとズキッと痛かった.脱脂綿をテープでとめて、「動脈だったんでね、20分くらいはおさえておいてくださいね.ベットには寝たままで.膝は上げないでね」.そのまま20分休憩.べつにパンツをおろしてたわけではないんだけれど、看護婦さんが「大事なとこ隠さなきゃ」って、腰に上着を掛けてくれた.
最後は内科検診.「ン〜、手術前の検査ですか.血圧はちょっと高めですね.血液は、肝臓の数字が悪いですね.肝炎ウイルスではないようですので、食べ過ぎでなければ、お酒ですか?.あはは.まあ、手術に支障があるような数字じゃないですよ.大丈夫です」で、内科終了.
最後に外科の受付に戻ったら、「ハイじゃあ今日は終わりですので、これで会計してきてくださいね.こんど入院の日はまた9時にここに来てください」と言われ、会計を済ませて終了したのは11時半でした.けっこう時間がかかる.ちなみに本日のお会計¥15000ほどでした.けっこうお金もかかる.
ところで動脈の注射ですが、静脈と違って、帰ってきてからも時々ズキンと痛みます.注射跡を見てみたんですけれど、出血もないし、内出血もないみたいなんだけど、時々痛みます.この痛みは2日くらい続きました.さすが動脈って感じです.
さらに、肺活量について、ネットで調べてみました.何でもわかるインターネットってホントに便利です.肺活量の平均値の計算式があるのですね.
男性={27.63ー(0.112×年齢)}×身長
これで計算すると、確かに40代なら3500ccほどになります.さらに、スポーツ選手の中には、肺活量が7000ccを超えるような人もいるらしい.そんな人の中には、平常時に脈拍が30くらいの人もいるって、半分死人のような脈拍数ですな.あと、シンクロの小谷実可子さんは、安静時なら4分くらいは息こらえが出来るとか.これは勝ったぞ、私の息こらえ記録は5分15秒だ.さすが5600cc.そういえば、何年も前に「水槽の中で水に潜って1分半キスをしていられたら100万円もらえる」っていうのをテレビでやってて、確か「水中バレエのカップル」とかいう人が挑戦して出来なかったんだけど、「あんなもん絶対にヤラセだよな.あんなに苦しそうな顔しちゃってさ」と思って見てました.で、私の素潜りの師匠に、「男同士でちょっと気持ち悪いけど、100万円くれるっていうからさ、水中で1分半キスしようよ」って言ったら、「いや、気持ち悪いとかより、1分半は絶対にムリ」って言われました.何の役にも立たないけれど、息こらえ5分っていうのは、けっこうな特技なのかもしれない.あ〜でも、手術ではなんの利点にもなりゃしない〜.
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