フレッツ光「隼」のその後.

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先月から、うちで使っているフレッツ光が最大1Gbpsの「隼」というヤツに変わりました.それで何がどう変わったかということなんですけれど、体感的にはなんにも変わりませんです.ネットのスピードテストをしてみたところ、変更前(最大200Mbps)で実測最大60Mbpsくらいだったものが、変更後、最大90Mbpsくらいです.速くなったといえば速くはなっているんですけれどね、最大速度が5倍速くなったので、実質速度も5倍速くなるというようなムシのいい話ではなかったようです.


そもそも、Webページを見ているときには、画面データをダウンロードしている時間よりも、ガッツンガッツン止まっている時間の方がはるかに長いですから、もともと高速なダウンロードが、もっと高速になっても、ガッツンガッツン止まるのが同じだと、けっきょく体感速度はほとんど変わらないです.あれはなんであんなにガッツンガッツン止まるんでしょうね.相手のサーバからのデータ待ち時間?.単なる通信エラー?.


巨大なファイル(アプリケーションのダウンロードとか、MacOSのアップデートとか)の時、調子が良いと9MB/Sec位のスピードが出るときがあります.以前は5MBくらいでしたので、確かに高速化はしていますし、OSのアップデートのように、100MBくらいのファイルをダウンロードするときには、それなりの時間短縮にはなっています.


ただね、そろそろ広告の打ち方を考えたほうが良いのではないかと思うんですけれど.「最大200Mbpsです!」って言っておいて、実際は60Mbpsっていうのであれば、それでも宣伝の30%の速度は出てるんですよね.まだ「ベストエフォートですから」っていう言い訳が通用するレベルだと思います.でもね、「最大1Gbpsです!」って言っておいて、実測が90Mbpsっていうのは、宣伝の9%の速度っていうことでしょう.いくらベストエフォートって言われてもねぇ.「高速道路作りました.制限速度は100キロです.でも混んでいるときはそこまでスピードが出ないかもしれません.」って言われて、実際走ってみたら、時速9キロしか出せなかったっていうことでしょう.本当の道路でそんなことやったら、計画の見込み違い、金の無駄遣いということで、大問題ですよね.


論理的には最大で1Gbpsの速度が出せる機器を使っていますという事なんだと思うんですけれど、お客さんが「実力としてどれくらいの速度が出るの?」と聞いても、「それは条件によってさまざまですので、実際に使ってみるまでわかりません」とか言われると、なんか怖くて契約しにくいですよね.なんかもうちょっと実情を反映できる数字でPRした方が、宣伝する方もされる方も安心できると思うんですけれど.


一番よさそうなのは、実際に出ている速度に応じて料金が変動すれば良いんですよね.工事をして通信してみて1Gbps出た人は月額1万円.100Mbpsしか出なかった人は月額1000円.1Gbps出ちゃったけど、そんなにスピードがいらない人は、100Mbpsにリミッターかけてもらって月額1000円にするとかね.そうすれば、「1Gbpsって言われて契約したけれど、実際どれくらいの速度になるのか不安」とかいうことが無くなって、お客さんも契約しやすくなると思います.まあ、技術的な負担がものすごく増えて、通信会社は嫌がるだろうし、その負担を料金に転嫁したら月額料金がものすごいことになるのかもしれないけれど.でも今の宣伝のしかたはあまりにも数字に信頼性が無くて、何を根拠にどういう選択をすればいいのかがサッパリわからないような状態ですからね.何らかの改善は必要だと思います(携帯電話のLTEも同様).