7月27日(土)の夜中の午前2時ころ、みぞおちあたりに強烈な腹痛発生.お腹が空いて「グゥ」と鳴るとき、お腹に予感を感じてから圧力がある点まで高まると「グゥ」といって圧力が逃げる、そんな感じですが、その予感を感じてから、圧力が逃げることなく極限まで高まっていき、胃の壁に針を何本も刺すような、内臓をすり潰されるような、強烈な痛みが発生してピークをむかえた後、痛みはまた急速に消えていき通常状態に戻る.これを1分周期くらいで繰り返す.そんな感じです.痛みのピークでは、ホント脂汗がにじみ出ますが、痛みのない時は、ほぼ正常状態.ピーク状態がずっと継続ではないので、我慢できないかと言われれば我慢できなくもない、そんな状態で、もちろん一睡もせずに夜を明かしました.吐き気や下痢はまったく無し.発熱も無し.
夜が明けても、不幸なことに土曜日とあって、普通の病院は休みです.このての痛みで救急病院に行っても「これで様子見て、週が明けたらちゃんとした病院に行って」って、ガスターを渡されるのは経験済みなので救急外来には行かずに、朝9時に近所の薬局でガスターとブスコパンとロキソニンとポカリスエットを買い込んで、週明けまで絶食で戦うつもりです.
まずガスターを飲みましたが変化無し.2時間後にブスコパンも飲みましたが変化無し.さらに2時間後にロキソニンも飲みましたが、まったく効かない.どうなってるんだよまったくと思っていたら、なんだか少しずつ痛みが緩くなってきている気がする.薬の効果ではなくて、自然に変化しているみたい.結局1日目はポカリスエット以外なにも口にすることなく終わったのですが、痛みのきっかけが「空腹の予感」なので、絶食で腹が減りまくっているのは非常にこたえる.少しでも食べ物のことを考えると胃が勝手に反応して「空腹の予感」を発生して、それが増幅して痛みの絶頂につながるので、腹が減っているのに食べ物のことを考えちゃいけないという、精神的にも辛いというか、お寺の坊さんの精神修行のような状態でした.
2日目に入ると、痛みはだいぶん軽めにはなってきましたが、まだ食べ物を口にできそうにはありません.ポカリスエットでしのいでいると、やっぱり少しずつ軽くなってきているのは確かのようです.少し眠れるようになってきました.ここで午前中の10時頃に大きな変化が発生.徒歩10mくらいのところにトイレがあるのですが、おしっこをして帰って来たら、息が切れてしんどくて、もうどうしようもない.ベッドに寝ることもできずに、そのまま背もたれ付きの椅子に倒れ込んで、2分か3分くらいは「ハアハア」いってたでしょうか.これがちょっと不思議で、手足はちゃんと動くんです.立って歩いても足元や頭がふらつくわけでもないのに、呼吸だけが異常にしんどい.体温を測ると37度.何か、入ってはいけないものが血の中に入ってしまった感じだなと思って、体温が38度を超えたら救急車を呼ぼうと決めて、ベッドで寝ました.
3時間ほど眠ってから起きてみると、体のしんどさはサッパリとなおっていました.体を動かしてみても、歩いてみても、なんともない.体温も36.5度.「何か知らんけれど、勝ったな」と思って、トイレでおしっこをしたら、これがなんと、真っ黒いのが出てくるじゃないですか.アメリカンコーヒーくらい?.便器の中の水に入ってやっと茶色とわかるくらい濃い色の尿が、けっこう大量に出ました.腎臓君が頑張ったんだなぁと思いつつ、体調は明らかに良くなっているので、しばらく様子を見ることに.その後何回かトイレに行って、3回目くらいで尿の色は正常に戻りました.お腹の痛みもほぼ無くなり、夕方には普通の夕食を半分くらい食べました.特に腹痛などの問題も無く、その後も普通の食事を普通に食べて大丈夫でした.
週が明けて月曜日から、普通に生活していました.週末の腹痛はなんだったんだろうかと、時々考えていたのですが、急に思い出しました.あれっ?あの痛み方って、胆石の時と同じじゃんか.2年半前に手術した胆石症.その時に胆石と一緒に胆嚢も摘出したので、もう胆石はできないけれど、胆汁は肝臓で作られて、それは肝臓から総胆管で十二指腸まで送られている.総胆管の中で結石ができて、そいつが管を塞いでしまえば、胆石症と同じような痛みが出るわけで、行き場を失った胆汁が肝臓から血管に逆流すれば黄疸となって体がしんどくなり、そのタイミングで石が外れれば、胆汁は再び正常に流れ出し、痛みは解消され、血液中にあふれた胆汁は、腎臓でものすごく濃い尿になると.全部ストーリーがつながるじゃないですか.あとは病院で、総胆管の中に結石があるのを発見してもらうだけです.で、病院に検査に行きました.
以前、胆石の手術をしてもらった同じ病院に行って話をしたところ、まずは一通りの検査をということで、レントゲン、超音波エコー、血液検査、尿検査、胃カメラまで.と、最後の胃カメラに入ってすぐに、「あれっ?刺身食べましたか?アニサキスがいます」って、画像を見ると、胃の壁からぶら下がる寄生虫の姿が.その場で取ってもらって、胃の中を全部チェックして終了.すべての検査結果を持って最後に先生の診察です.
先生ともお話をしたのですが、アニサキスがいたということで、腹痛の一番の原因はアニサキスと考えられるのだけれど、痛みが出たのが土曜日の午前2時なので、アニサキスを食べたのは金曜日の夕方ということになる.その日に何を食べたのかは覚えていないけれど、今日は木曜日.アニサキスが胃の中で6日も生きているものか.先生もウーンと首をひねる.最初の2日だけ痛くて、あとの4日、アニサキスは胃の中で何をしていたのか.2日目の午後に出た真っ黒いおしっこの原因は何だったのか.なんだかよくわからないというのが今日の結果でした.とりあえず悪い虫は取り出したし、体に変な症状も出ていないので、このまま様子を見るか、もう少し詳しくMRIで結石がないか検査してみるか、念のためにMRIの予約をして帰って来ました.アニサキスで結論づけられると、せっかく一生懸命に考えたストーリーが無駄になるのが悔しくて.
でもやっぱりアニサキスなのかなぁ.いや、アニサキスには黒いおしっこを出す力はないはずだ.そうに違いない.
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