今からもう10年以上も前ですか、まだ姫路で会社員をしていたとき、会社で初めて見た3Dプリンターは光造形と呼ばれていて、粉にレーザーを照射するタイプのモノでした.それまで、製品の試作をするときには、専門の職人さんに依頼して、プラ板を切ったり張ったり削ったりして試作品を作ってもらっていました.その何日もかかっていた作業が、たった一晩で出来るってすごいなあと思いました.
3Dプリンターもいつかは個人で買えるようになるだろうから、絶対に欲しいと思っていましたが、高価なものですし、日々進歩するモノですし、なかなか買うタイミングを決めかねていました.ところが先日、amazonでタイムセールの製品を見ているときに、割り引きになっている3Dプリンターを見つけて、日本人が書いたであろうレビューが何件も付いていましたし、ネットで検索してみても悪い話は出てこなかったので、「もうこれでいいわ」って買ってしまいました.購入したのは「Anycubic i3 Mega」というものです.
国内在庫品なので、二日で届きました.で、開梱.
なんか結構しっかりしたモノが届きました.段ボールもちゃんと重量物用のですし、白い梱包材は発泡スチロールではなくて、ウレタンを切り抜いて作ってあります.
開梱とか組み立てとかは他にもいろんな方が書いていますので割愛します.組み立ててみると、細かなところに適当さやいい加減さがあって、まさに中華製品って感じです.
たとえばこんな感じ.知っている人が見ればなんてことはないと思いますが、初めてこれを見たときに「この軸と軸の間からポロンと出ているケーブルの先っぽのどこにも固定されていないモノは、このままでイイのだろうか、いけないのだろうか」と迷いました.そういうところの説明が全くありません.
後になってわかりましたけど、これが正解です.フィラメントセンサーっていうんですね.
赤と緑と黒のコネクターを接続するんですけど、どうしてもコネクターが1つ見つからなくて、一生懸命に探したら、ケーブルが曲がって筐体の内側に入っていました.黒い筐体でケーブルも黒いカバーが付いているので、なかなか見つけにくいです.重たいモノなので、自由自在にくるくる回して裏側もチェック、とかできないですし.
この、右側に二つ突き出しているレバーをつまんでフィラメントを通せっていうんですけど、何回やってもグリグリしても通りゃしない.明らかにここに当たってるわっていうところのネジを外したらすんなり通りました.私はそんなに不器用な方ではないと思っているんですけど、なんかこういうチョコチョコした障害が多いです.
なんとか形になったところで、3Mのプラットフォームシートっていうのを貼りました.誰かのサイトに、これを貼った方がいいって書いてあったので.貼らずに使ってみたことがないので、これを貼った方が良かったのかどうかはわかりませんけど、少なくとも悪くはないです.
サンプルでSDカードに入っているフクロウのモデルを印刷開始です.だいたい皆さん「すごい簡単にできた!」って書いてありますけど、私は出来ませんでした.
風呂から上がってみると、こんな状態で止まっていて、操作も全然受け付けてくれません.なんかわからないので、いっぺん電源を落としました.
組み立ての時からいろいろとあったし、これは不良品を掴まされたんかなとも思いましたが、原因を追及していったところ、付属で付いてきているSDカードが接触不良だということがわかりました.Macに突っ込んでもマウントできたり出来なかったりです.なんとか中身を読み出して、別のSDカードに移したところ、プリントできるようになりました.が、その後も現在までに2回ほどSDカードの接触不良が起こりましたから、本体側のカードスロットも調子が良くないようです(ノイズの影響かもしれない).あと、このシステムは印刷中にSDカードから逐次データを読み出して印刷しているようなのですが、接触不良とかでデータが読めないときに、何のエラー表示も出さないで停止するだけっていう動作になるようです.ヒーターとかも切れません.操作も受け付けません.電源を切るしかないようです.なんか他に対応策あるのかなあ.
そうこうしているうちに、こんなものの印刷まで到達しました.
狙ったわけではないのですが、頭を横に真っ二つにされて口からいけないものがダダ漏れになっているように見えます.
印刷終了.
この頃は、どんな条件だと印刷できないかとか、どうしたらより綺麗になるかとか、何も知らないでやっていたので、まあこんなもんでしょうか.ちなみに、Fusion360という3Dソフトで作りました.こんなソフトがただで使えるってすごい世の中になったもんですね.3Dプリンターについてはもちろん、こいつを活用するためにはどうしても3Dソフトの使い方も学ばねばなりません.
以前、仕事で位置決めコントローラを作ったことがあるのですけど、その評価用にサーボモータで動くXYテーブルを使っていました.そのときは、ボールネジだけでも数万円、テーブルになると数十万円とかでしたけど、3軸になってコントローラーまでコミで数万円で買えるんですから、すごいことです.しかも、細かなトラブルを自分で乗り越えるのが良い経験値にもなるし、実使用上の性能は結構いいし.高校生とか大学生とかで物作りに興味がある人はぜひ買うべきです.人によっちゃあゲーム機とか買うよりこっちの方が断然面白いと思いますよ.
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