真のダイレクトエクストルーダを目指す その2.

真のダイレクトエクストルーダを目指して前回作ったモノは、出来がいまいちだった上に、ヒートブロックのネジの隙間から樹脂がダダ漏れで継続使用不可能になったため、元の状態に戻しました.実際に動かした一発目で、スロートの向きが逆だったという基本的なことにくわえて、どうも冷却が強すぎるので5枚あるヒートシンクの数を減らしたほうがいいということがわかりました.そこら辺を踏まえて次(4次品)を作ります.


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現状はこんな状態で使っています.


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4次品が出来ました.


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組み立てます.ヒートシンクは5枚から3枚に減らしました.


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配線も済ませました.「とりあえず」な状態ではありますが、ガムテープとか結束バンドとか輪ゴムとか、もうちょっと何とかならんのだろうか.


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今回は、ファンの回転数調整とか無しで、無事に240°まで温度が上がりました.


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その状態でしばらく放置してから温度を確認してみたのですが、だいたい60°くらいな感じでした.この程度なら、高温で本体が変形することはなさそうです.


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今回は簡単なモノでテスト印刷しました.特に問題は無く、思いのほか普通です.


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ただまあ、X軸の原点が大きくズレていますね.標準状態のAnycubic i3 Megaでは、ホットエンドの金属箱の左端がリミットスイッチに当たる位置を原点にしていますので、箱がなくなるとどうしても左にズレます.


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前回もやったノブを印刷してみました.これも思いのほか順調に印刷できました.


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今までのホットエンドで印刷したモノはこちら.


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今回作ったホットエンドで印刷したモノがこちら.大きな位置ズレとかはなさそうです.ツブツブしたゴミが結構付いているのがわかります.引き戻し量の変更とかで対応できるんだろうか.

しかし、こんな写真、iPhoneで撮れるんですね.今まで知りませんでした.iPhoneの「拡大鏡」機能です.拡大率を上げると手ぶれで画面が見えないほど揺れますが、シャッターボタンを押すと手ぶれ補正がかかった画像が表示されて、とても確認しやすくなります.

ここまでやって各部の様子を確認しました.今回はこのまま継続使用できそうな感じです.前回起こった樹脂漏れとかもありません.ただ、問題点もいくつかわかりました.
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まずはX軸原点です.金属箱が当たる位置が原点だったのですが、箱が無いので当たるモノがありません.とりあえずカードを貼り付けて何かが当たればそこが原点という状態にしました.しかし実際にはヒートシンクが当たるので、原点復帰後すぐにX軸を動かさないと、触れたままだとカードが熱で溶けそうです.


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次はバネです.テスト印刷中に「コツンコツン」と音がしていて、これはエクストルーダモータが脱調しているなと気がついてチェックすると、バネがメチャクチャ強すぎでした.バネが強すぎるときは取っ手に輪ゴムをかけて調節するというのは以前経験したことなんですけど、輪ゴムの量が尋常ではありません.これも何か考えないといけません.

それから、照明を何とかしないといけません.現状では照明がついていません.ちゃんと印刷できているか凝視していると、すぐに「眼がぁ!」って叫びたくなるくらい眼が痛くなります.やっぱりホットエンドに照明は必需品だと思います.

あともう一つ、まだ冷えすぎですね.印刷中にエクストルーダの温度を240°から230°に変更したときに、表示されている温度の下がり方が今までに比べると非常に急でした.ヒートシンクを5枚から3枚に減らしてこの状態ですから、ヒートシンクを減らすという方法をとるのでは無く、もっとヒートブロックが冷えにくくなる構造を考えた方がいいような気がします.

ま、そんな感じですかね.今回はこのまま継続使用できそうです.元には戻さずに、そのまま次の5次品を作れそうです.