買ってすぐのゼロ点調整時にホットエンドをビルドプレートに激突させて壊れた部分を修理して以降(初っぱなからFLSUN QQ-Sをぶっ壊していたらしい その1)、絶好調で動いているFLSUN QQ-Sですけど、問題点というか改善したいなと思っていたことがあって、それは、私の大好きなTPUフィラメントを0.2mmノズルで印刷しようとすると、なんかうまくできないこと.AnyCubic i3 Megaだと普通にできるのですが、どうもFLSUNの方はボーデンチューブが長すぎて(約80cmくらいある)、0.2mmノズルの抵抗と合わさって、フィラメントが正常に押し出せていないみたいな感じです.
ネットを見ていると、デルタ型3Dプリンターの場合、フライングエクストルーダーという、ホットエンドの直上にエクストルーダをぶら下げるような構造があるようなので、これをマネしてみたいと思います.
もうどうせ1回ではちゃんとしたものが出来ないことがわかっているので、とりあえずこんな部品を作りました.材料はPETGです.
この部品に両面テープを貼り付けます.
それをここに貼り付けます.3個とも.
上下を結束バンドで縛ります.この裏には原点検出用リミットスイッチの配線が通っているので、巻き込まないように注意します.
次に、ホットエンドの方.まずはテフロンチューブを抜き取ります.固着して抜けなかったので、200度くらいまで予熱してから抜き取りました.
ちょっとピンボケですけど、チューブの先はこうなっていました.溶けた上に炭化しているのか、フィラメントの色素が浸潤しているのか.
オリジナルのエクストルーダを外して、リング状の部品を取り付けます.
だいたいこんな感じかなぁと位置関係を確認します.これでテフロンチューブを切り出す長さを決めました.まずは15cmでやってみます.
テフロンチューブで連結すると、こんな感じになります.
これを、とりあえず輪ゴムと結束バンドでぶら下げます.ビックリするほど雑な感じですけど、とりあえず動かすためだから.まあただ、「とりあえず」が「そのまま」になる事も往々にしてあるわけですけど.輪ゴムは引っ張った時のテンション感で、2本を2組ずつ使っています.
横から見てみると、思ってたのと全然違った感じになっています.ぶら下げるわけなので、リング状の部品の中心あたりにエクストルーダの重心がくるようにしたんですけど、フィラメントの通る位置がそこからだいぶズレているので、何もしない状態でもテフロンチューブがこんなに曲がってしまいます.大丈夫かなあ、とりあえずでも使えるんだろうか.
これは、原点復帰後の様子.天井から入ってきている太いケーブルと干渉しそうになっています.その根本についている灰色の部品を外すことにしました.
とりあえずのテスト印刷です.一応印刷できているみたいですけど、エクストルーダがメッチャ揺れます.
振動と輪ゴムのテンションとエクストルーダの質量で共振した時にすごい振動しています.なんか共振点をずらした方がいいだろうな.
フイラメントの通り道がリングの中心あたりにくるように設計し直した部品を印刷しました.えらい揺れましたけど、ちゃんと印刷はできました.
その部品を使って組み直してみました.フィラメントは中心を通っているんですけど、今度はエクストルーダの重心がずれた影響で大きく斜めに傾いてしまって、結局テフロンチューブを真っ直ぐにすることはできませんでした.まあさっきよりはマシになったけど.
共振を弱めるために、今回は輪ゴムを1段目は3本組で、2段目は2本組にしてあります.さっきとバネ定数がずれるので、共振しにくくなるのではないかと期待します.
その後、いろいろやっているうちにフィラメントの通りが悪くなって、結局この状態になりました.原因は、PLAフィラメントが隙間から漏れ出して、それが炭化したものがノズルの方に混入して詰まっていたようです.コイツをここまでバラしたのは初めてだったので、いろいろ勉強になりました.
その後のテスト印刷.ノズルは0.4mmですけどTPUです.
新しいiPhone SE2用のケースです.AirPors Proもあるし、Qiで充電もできるし、ライトニングポートはなくてもいいかなと思って、埋めてみました.
背面の様子.なんかこうなってくると多色印刷とかやってみたくなる.
ということで、FLSUN QQ-Sをフライングエクストルーダーにしてみました.AnyCubic i3 Megaをダイレクトエクストルーダにしたときは何日も何回もかかって大変だったのですが、こちらは意外とあっさり出来てビックリしました.まだ揺れが大きいとか改善点はありますけど、普通の使い方なら大きな問題にはならないです.あとは使ってみながら輪ゴムをバネに変えたりして様子を見たいと思います.
そうそう、予想外の効果として、ただでさえ静かだったFLSUN QQ-Sが、もっと静かになりました.運転中にフィラメントを送る音が他のモーターに比べると結構大きく感じていたんですけど、それがほとんど無音になりました.多分モーターの振動が筐体に共鳴していたんですね.輪ゴムで宙ぶらりんにされた事でそれがなくなったんだと思います.
pen
はじめまして。こちらを参考に私もフライングエクストルーダーやってみました。ありがとうございます。
korukoru2
コメントありがとうございます.
参考にしてもらっておいてこんなことを言うのもアレなんですけど、輪ゴムはやめておいた方がいいです.
なんか最近の輪ゴムって耐久性が著しく低いのですね.1ヶ月も持たずにブチブチになってしまいます.
まあ安いモノなので、切れたら交換すればいいんですけど、3Dプリンターの動作中に切れたら目も当てられない.
現在、輪ゴムの置き換えを検討中ですけど、とりあえず使えてしまうので、しばらくはそのままでしょうかね.